第14章 僕のお兄ちゃん
俊side
浴槽の中には昨日のお湯が冷たくなって入っている。
僕は髪を持たれたまま浴槽に顔を突っ込まれた。
「んん!!ん!」ブクブク
苦しい……
息がっ!
お湯だって氷水みたいに冷たくなってる。
一生懸命手で反発したが力が入らない。
このままじゃ……死んじゃう……
「プハっ!ゲホゲホっ!!はぁはぁはぁ」
引き上げられる。
よかった……助かる……
「俊くん……君は他の子とは違うと思ったのに……一目会って君だって思ったのに……残念だよ……じゃあね(笑)」
「いや……やめっ!ゴポッ!んン!!」
くる……し……
もう駄目……
氷水のような冷たさと呼吸のしにくさに体が負けて、意識はどんどん遠のいて行った……
男の人の手の力が緩むのが分かったのは目の前が真っ暗になる直前だった。