第14章 僕のお兄ちゃん
結城side
「そうだ!俺だ!分かるか?」
「……うん……分かるよ……兄ちゃんだ……」
良かった……意識は無事だな。
「待ってろ、鎖解いてやるからな。」
俺は首輪を外そうとしたが、なかなか外れなかった。
鎖と首輪と切り離すことにした。
そこは簡単に解けた。
俊をもう1度抱きしめる。
「いっ!痛い!兄ちゃん!!痛い!!」
「ごめん……」
よく見ると体中痣だらけだ……酷いなこれ……
どこか折れていてもおかしくない。
手も酷い火傷の跡が……
「なんか……体がおかしいんだ……よくわかんないけど……上手く動かせない……」
俊の体には全く力が入っておらず、離せばすぐに倒れそうだ。
寒いのか震えている。
確かにこの部屋は他と比べ物にならねぇくらい冷えている。
少しでも暖まるように痛くない程度に優しく抱きしめた。