第14章 僕のお兄ちゃん
結城side
「はぁ……はぁ……」
疲れた……
部屋の中は散らかってしまった。
ここには居ねぇのか……
俺はその部屋を出て違う場所を探した。
奥の扉に目が入る。
ここか?
ドアノブに手をかけ回す。
けど、開かない。
「くっそ……」
俺は鍵を探すのも面倒になりその扉を壊す。
ガシャン!
開いた……
開けた瞬間、冷たい風が中から吹く。
「寒っ」
寒いのを我慢し、中に入る。
奥の方に横たわる小さい人影があった。
「俊!!」
やっと……やっと見つけた……
間違いない……俊だ。
俺はバットをその場に置き、俊に駆け寄る。
反応がない俊を抱き抱える。
「なんだ……これ……」
体が軽かった。
腕、足、体……全てが異常な程細くなっていた。
体も冷えている。
瞳も死んだようにただ1点を見つめていた。
「俊……俊?聞こえるか?俺だ。兄ちゃんだ。」
ゆっくりとこっちを向き口を開く。
「にぃ……ちゃん?」