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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第14章 僕のお兄ちゃん


結城side

……あれからもう何ヶ月も経った。
母さんも精神的に来て倒れてしまった。
今は病院に入院中。

季節はさらに変わって冬……雪も降り始めた。
俊は生きているのかどうなのかも分からなくなってきた。
もう手遅れかもしれない。

和也も色々と手助けをしてくれた。

今日で最後かもしれない。
かなり遠くまで探したが見つからなかった。
もう1度戻って探し直そうと隣町に出かけに来ている。

この時期になれば流石に皆長袖を着る。
もうやけどの後なんて見えやしねぇ。

歩いていると誰かと肩がぶつかる。

「あ、すみま…せん…?」

黙って通り過ぎて行った。
今の人……臭う……
あの目……
気がつくと足が進んでいた。

男に気づかれないように追う。

床屋……
俺はガラス越しに様子を伺った。
腕さえ見えれば……

男は上着を脱ぐ。
その一瞬、中のシャツも捲りあがって腕が見えた。

っ!!

火傷のあと……!
間違いねぇ……
やっと見つけた。

俺は男の家まで付いていくことに決めた。
床屋の入口付近で寒さに耐えながらじっと待った。



―――――――


「ありがとうございましたー!」

来た!
俺はゆっくりと家まで追った。

ここか?
10分程歩くとある建物に着いた。

これで居場所が分かった。
待ってろ、俊。
すぐ助けてやる。
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