第13章 あと一度だけでいいから……
和也side
俊くんがいなくなって1ヶ月が経った。
結城の野郎……1回も学校に顔を出さなかった。
アイツ……何やってんだよ……
我慢出来なくなって結城の家の前に来た。
電話をかけてみる。
着信拒否……
メールを送っても今まで返信は無かった。
インターホンを鳴らし、中に入れて貰った。
「あの、結城は?」
「あー、今帰ってきて部屋にいるはずだけど……」
「ありがとうございます。」
俺はもう1度結城に電話をかけながら2階に向かう。
部屋からは携帯の鳴る音がする。
だが……
プツッ
……いい加減……
バン!
「電話に出やがれぇ!!」
「はぁ!?」
俺は勢いよく部屋に入る。
「何でお前がいんだよ!!」
「……入れてもらったんだよ。それより、学校に来ねぇし、返信もねぇし、電話にも出ねぇ……いい加減にしろ。」
結城は俊くんのベッドで蹲っていた。
「……どこ探しても……見つかんねぇ……どこにいんだ。」
俺はこんなやる気の無い、死体のようになってしまった結城は初めて見た。
俺は結城の隣りに座る。
「お前の気持ちは分かるよ。けどさ、そんなんじゃ駄目だろ。俊くん見たらガッカリするぞ?辛いのはお前だけじゃねぇ。」
「何が言いたいわけ?」
「あーもう!だから!学校には来い!皆お前の事心配してるぞ?周りには迷惑かけるなよ。」
「……うん。」
本当に分かってんのか?コイツ……
明日早めに出て、無理矢理にでも学校に連れて行くか。