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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第13章 あと一度だけでいいから……


和也side

俊くんがいなくなって1ヶ月が経った。
結城の野郎……1回も学校に顔を出さなかった。
アイツ……何やってんだよ……

我慢出来なくなって結城の家の前に来た。
電話をかけてみる。

着信拒否……

メールを送っても今まで返信は無かった。
インターホンを鳴らし、中に入れて貰った。

「あの、結城は?」

「あー、今帰ってきて部屋にいるはずだけど……」

「ありがとうございます。」

俺はもう1度結城に電話をかけながら2階に向かう。

部屋からは携帯の鳴る音がする。
だが……

プツッ
……いい加減……

バン!

「電話に出やがれぇ!!」

「はぁ!?」

俺は勢いよく部屋に入る。

「何でお前がいんだよ!!」

「……入れてもらったんだよ。それより、学校に来ねぇし、返信もねぇし、電話にも出ねぇ……いい加減にしろ。」

結城は俊くんのベッドで蹲っていた。

「……どこ探しても……見つかんねぇ……どこにいんだ。」

俺はこんなやる気の無い、死体のようになってしまった結城は初めて見た。

俺は結城の隣りに座る。

「お前の気持ちは分かるよ。けどさ、そんなんじゃ駄目だろ。俊くん見たらガッカリするぞ?辛いのはお前だけじゃねぇ。」

「何が言いたいわけ?」

「あーもう!だから!学校には来い!皆お前の事心配してるぞ?周りには迷惑かけるなよ。」

「……うん。」

本当に分かってんのか?コイツ……
明日早めに出て、無理矢理にでも学校に連れて行くか。
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