第13章 あと一度だけでいいから……
和也side
「和也……これ、明くんが持ってたんだよ。」
「明?誰?」
「……行方不明になってた子……見つかったけど結局死んじゃったって……俊の事知ってた。」
これって俺があげたミサンガ……
けど、何で見つかったんだ?
知ってたって事は生きてたって事だろ?
「なぁ、今までと変わってねぇか?」
「……あぁ。明くんは生きてた……今までは死体で見つかったのにな。おまけに俊の物を持ってた。逃げ出したとしか考えられねぇんだよ。」
「逃げ出した……ね……」
結城は明くんの死因を話した。
……長い間、逃げ続けてたのか?
じゃねぇと……おかしいよな?
……場所はここの近くじゃねぇのか?
「……どこ探しても見つかんなかったって言ったよな?」
「あぁ。」
「……もっと遠い所にいんじゃねぇのか?」
「……かもな。」
結城も今考え直したのか、俺の言葉に頷いた。
「明日にでも……「明日は学校だろ?」……うっ……」
決めた、明日は無理矢理にでもつれて行く。