• テキストサイズ

僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第12章 黒い影


結城side

家までの道を走って帰ったが俊に会うことなく家に着いた。
もう帰りついてたのか?

「ただいまー。」

玄関の扉に手をかけ中に入る。
だが、俊の靴は無い。
奥からは「おかえりなさい」と母さんの声だけが聞こえた。
嫌な予感……

「母さん……俊は?」

「一緒じゃなかったの?まだ帰ってないけど。」

嘘だ……

俺は何も言わずに自転車の鍵を取りそのまま後ろを向き外に出た。
どこいったんだ。
俊……
俺は自転車に乗っていろんな所を探し回った。

公園……駅……思い当たるところ全部。

どこだ……

っ!和也!
そうだ!和也の家!

俺は急いで和也の家に向かった。


―――――――――


ピンポーン……

1回だけインターホンを鳴らし、その後何度も鳴らす。
早く出ろよ。

「あーもう!誰だよ!……結城!?なんでそんな汗かいてんだよ……」

「和也!俊いねぇか?!」

「はぁ!?いねぇよ!!」

くっそ……

「結城……とりあえず中入れ。暑いだろ。」

「あぁ……」

俺は和也の部屋に入る。

「……何があった。」

「…………俊が……いなくなった。どこ探しても……見つかんなくて……」

「いなくなった?……」

和也の表情はいっそう暗くなり声が震えていた。
/ 196ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp