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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第12章 黒い影


和也side

時計の針は19時半を指す。
この時間になっても帰ってこないのはおかしい。

「ほら、言っただろ?……最近、変な奴がいるって。」

「あぁ……」

前に昼飯を食いながら話した覚えがある。
一緒に帰ってると言っていた。

「俺のせいだ……俺が仕事断って早く帰ってれば……」

結城は頭を抱える。
こんな結城は今まで見たこと無い……

「結城……今日はもう帰れ。母さんが心配するだろ?俊くんも帰ってくるかもしれねぇだろ?」

「うん……ごめんな、巻き込んで。」

「いや、大丈夫だよ。親友だろ?俺も協力する。とりあえず、朝まで待ってようぜ?」

結城は重そうに立ち上がり玄関に向かった。
元気の無い背中を向け家を出ていった。




そして、朝になっても俊くんが帰ってくることは無かった。
結城からの連絡を通じて知った。
結城の母親が警察に捜索願を出し、結城が学校に来ることは無かった。
あいつの事だからきっと走り回って探してるんだろう。
けど、たぶん見つかんねぇ気がすんだよな。

あのニュースと関係している可能性は大だ。
今までの子も見つからず、結局遺体で発見……
そんなのは絶対嫌だ。
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