第12章 黒い影
俊side
今日も兄ちゃんは僕のベッドで寝てくれた。
僕が眠るまでずっと抱きしめて頭を撫でてくれた。
それが何日も続き、最近は変な人を見ることも減りつつあった。
学校の行き帰りも兄ちゃんが付いてくれた。
けど……今日は中々迎えに来ない……
何かあったのかな?
まぁ、最近は会ってないし、大丈夫だよね。
このまま学校にいても……暗くなるし。
僕は一人で帰ることにした。
兄ちゃんに怒られてもすぐ許してもらえるし……
僕は光が当たらなくなった通りを一人で歩いた。
……っ!え……誰かいる。
何で今日に限って……
僕は一生懸命家まで走った。
後ろからの気配が無くなるまで全力で走った。
ふと後ろを見るともう誰もいなかった。
「よかった。」
前に向き直り再び歩きだそうとした……その時……
「っ!!」
口元に何か当てられそのまま意識が薄れていく。
駄目……このままじゃ……
誰か……誰か助けて。
兄ちゃん……