第12章 黒い影
俊side
「俊……もう無理……吐く……」
兄ちゃんは僕が和也さんに頼んだ物を半分まで食べた。
「俊くんなかなかやるね(笑)」
「もういいよ。ごめん、ごめん(笑)」
兄ちゃんの頭を撫でる。
これどーしよ。
よし!
「じゃ、僕が食べる!」
「「はぁ?!」」
和也さんと兄ちゃんが驚いて声を合わせた。
「ちょ、ちょっと待て!俊!流石に食べすぎは……」
「うん、流石にね……まぁ、俊くん細いし大丈夫とは思うけど。」
「勿体無いでしょ?いただきます♪」
兄ちゃん達は「マジか」と言いながら唖然としていた。
まぁ、美味しいし、つい食べちゃうよね。
「美味しかった。ごちそうさま♪」
「俊?ホントに大丈夫か?」
「うん。じゃ、帰ろう!和也さん!ありがとう!」
「おう!」
僕達は会計の所に並ぶ。
「支払いはいいよ。」
「え、でも割引き券使っても幾らかあるだろ?」
「俺の奢り。来てくれただけ嬉しいから。」
結局、和也さんの奢りになった。
「じゃあな。また明日。」
「おう!気をつけて帰れよ。」
僕達は和也さんに手を振り家に帰ることにした。