第12章 黒い影
俊side
あ……朝だ……
外では小鳥の鳴く声がしている。
「おはよ、俊。」
目の前には寝癖のついた兄ちゃんの顔が……
「わあぁぁぁぁあ!?////」
「え?」ビクッ
近い近い近いよぉ!?
今、口付きそうだった!!
僕は慌てて離れたせいでベッドから落ち頭を打ってしまった。
「いってて……」
「だ、大丈夫か?(汗)」
「だ、大丈夫……////」
そうだ……昨日兄ちゃんが隣で寝てくれたんだ。
忘れてた……
あんなかっこいい顔は朝から近くで見るのはきつい……
心臓持たない……
「俊?」
「?……ぷっ……ははは(笑)」
「今度はなんだよ!?(汗)」
「だって兄ちゃん……寝癖凄い……(笑)」
「へ?////」
兄ちゃんは慌てて髪を両手で隠す。
「か、髪直してくる……」
「いってらっしゃい(笑)」
兄ちゃんは足早に洗面台に向かった。
兄ちゃんはよく寝癖がつくけどあんなに凄い寝癖は初めて見た。
僕のベッド合わなかったのかな?
はぁ、準備しよっかな。
今日はお出かけするんだもんね。
早めに準備しておこう。
ん?何これ?
ふと窓を見ると手形が付いていた。
手?
僕より大きい。兄ちゃんだともう少し指細い気がするし。
僕は窓をこすってみた。
取れない……
これって外ってこと?
え……外?
「直ったー……」
兄ちゃんが帰ってきた。
「兄ちゃん、これ見て……」
「ん?手形?」
「これね、擦っても取れないんだ。……外に付いてるみたい。」
「……は?」
兄ちゃんは窓に着いた手形を触る。
そして、ベランダに出た。
僕もあとに続く。
「……昨日までは無かったと思うけど……」
兄ちゃんは下を覗き当たりを見渡した。
「誰もいねぇよな。」
僕はとりあえず中に戻り服を着替えた。
兄ちゃんも中に戻ってきた。
「とりあえず、中には影響ないみてぇだな。鍵閉めといて正解だったな。」
「兄ちゃん。大丈夫かな?なんか……嫌な予感がするんだ。」
「大丈夫だよ。俺がお前も母さんも守るから。心配するな。準備して、早く出かけようぜ?な?」
「う、うん。」