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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第12章 黒い影


俊side

兄ちゃんがお風呂に入っている間部屋の隅にいた。
まだ怖い。
ここならなんか安心できた。
兄ちゃん大丈夫かな?
大丈夫だといいけど。
母さんも心配。

兄ちゃんまだかな……

「俊?」

「!……早かったね……」

「あぁ……何かあったのか?」

「ううん!どうして?」

「いや、部屋の隅にいるから。」

「あ……安心するから。」

よく見ると兄ちゃんの髪はまだびちゃびちゃに濡れていた。
いつもちゃんと拭いて来るのに。
兄ちゃんは肩にかけていたタオルを取り髪の毛を拭く。

「兄ちゃんさ、髪伸びたね。切らないの?」

「そうか?切ったがいい?」

「うーん……そのままでもいいんじゃない?」

「じゃあ何で聞いたんだよ(笑)」

「ごめんごめん(笑)」

明日は日曜か……
久しぶりに何処か出掛けたいな。
あ、そう言えば和也さんから貰ってたやつがあった。

僕は机の引き出しを開ける。

「ねぇ、明日時間あったりする?」

「ん?あるけど。」

「行きたい所あるから一緒にいかない?」

「行きたいとこ?」

僕は和也さんから貰った誕生日プレゼントを取り出し兄ちゃんに見せた。

「その……せっかく2枚あるから……いかないかなって……うっ!」

兄ちゃんは僕に抱きついた。

「行く!行く行く行く!」

「……苦しいんだけど……」

子供だ……
僕より年上なのに……
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