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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第12章 黒い影


俊side

「俊、治まったか?」

「うん……」

「何があった?」

「お風呂入ってたら……また視線感じて……で、気のせいかもしれないから窓開けたら……知らない人がこっち見て立ってて……」

その瞬間、兄ちゃんが僕の体を触り出した。

「な、なに!?」

「何もされてねぇか?!怪我は?!」

「すぐ逃げてきたから大丈夫だよ。」

「そうか。待ってろ服持ってくるから。体ちゃんと拭いとけよ。」

僕はタオルで冷えてしまった髪を拭いた。
あの時、自然と兄ちゃんが思い浮かんだ。
母さんの方が近かったのに。

「俊、持ってきたぞ。風邪ひくから着ろ。」

「ありがと。」

「顔は見なかったのか? 」

「顔隠してて見えなかった。」

何が目的なんだろう……

「俺も風呂入ってくるけど、一人で平気か?」

「うん、母さんもいるから……」

「なるべく急いで帰ってくるからな。」

そう言って僕の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「うん。」

僕は服を着て兄ちゃんを待つことにした。
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