第11章 もう1度振り向いて
結城side
俊をトイレに連れてきた。
誰もいない静かなトイレだ。
「ごめんね、すぐ終わらせるから!」
「おう!」
やっぱ可愛い!
何なんだあの小動物は!
ほんとに俺の弟か?!
あーキスしてぇ……
「兄ちゃん!」
「?どした?」
俊は洗面台の前に立っていた。
「おまじないかけるから目瞑って!」
「こうか?」
「うん!」
おまじないって何だ?
目を瞑って待っていると唇に何か暖かい物が触れる。
目を開けると俊がキスをしていた。
「今日だけだから。特別に。……頑張ってね!」
「俊……」
どうしよ、俺泣きそう……
「もう1回!」
「だ、駄目だよ!!もう無し!////」
「そこを何とか!」
土下座をする。
「……勝ったらね。」
「絶てぇ勝つから!」
「けど、怪我はしないでね。ほんとに心配しちゃうよ?」
天使!女神!俺の弟!
もう死んでもいい!
「兄ちゃん?行くよ?和也さんに全部食べられちゃうよ(笑)」
俊に手を引かれグラウンドに戻る。