第27章 幸せにおなり★
けれど、
それは、
この危険と隣合わせの旅では難しい。
今日、今、一度だけなら。
否。
一度、繋がってしまえば、もう抑えられない。
きっと毎晩、いや毎日求めてしまう。
体を繋げている時に襲撃されたら?
何よりも大事なのは沙羅自身だ。
ましてや、初めてなのだ。
体にそれなりの負担をかけてしまう。
この状況で、沙羅を抱くことはできない。
密着し見上げらたままの状態に、沙羅は小さく声を上げた。
「・・・マルコ?」
その表情は不安と欲に揺れて、危うい。
「・・・」
欲情に蓋をするように、マルコの蒼い瞳が伏せられた。
「・・・ッ!!・・・ぅん」
ピリリと走る胸元の痛みとぬるりとした感覚。
と、ククッと降り注ぐ笑い声。
「予約だい」
言いながら痛みの元を示したマルコの表情は、まさしく海賊のそれであった。