第26章 牙を剥く悪魔
「沙羅ちゃんさ、マルコとはもうやった?」
瞬間、大きく見開かれ、サッチを見上げる沙羅の顔がうっすらと朱に染まれば、言葉よりも雄弁に答えを語る。
「やっぱり、まだなんだ」
「っ・・・」
サッチは言いながら沙羅の髪に指を絡ませた。
「ねぇ、男がどうやって女を抱くか、わかる?」
「・・・」
沙羅は動けなかった。
サッチが指に絡ませた髪に唇を寄せる。
そして、そっ・・・と壊れ物でも扱うように優しく、優しく解き放った。
その、動きとは反対に酷く残酷な光を宿したサッチの瞳。
沙羅の体が反射的に強ばった。
サッチの手が沙羅の服の襟ぐりを掴んだ。
「教えてやるよ」
その言葉と、沙羅の耳に布の裂ける音がしたのは同時だった。
「俺がね」
「っ!!」
ひゅっと喉がなり、息が逆流した。
胸元に冷気を感じ、瞬間、強い力で胸を揉み上げられた。
「っぃや!」
痛み、恐怖、混乱、様々な感情に声がほとんど出ない。
それでも手に力を入れ、馬乗りになったサッチをはねのけようとした。
「?!」
が、サッチは微動だにせず。逆に煩わしそうに沙羅の両腕を軽々と片手で掴み、己の黄色いスカーフで縛りあげた。
そして、耳元に告げた。
「無理だよ、沙羅ちゃん」
「っ!!」
背中がゾッとした。
耳から首、鎖骨とサッチの舌が沙羅の体を這う。
「やっ!っ~やめて!!」
何とか逃れようと、体を動かせば、
サッチはそれすらも楽しむように、
片手を沙羅のボトムに手をかけて引き裂いた。
「沙羅ちゃんは白派?それともマルコの趣味?」
「~~~っや!!」
上下白の下着がサッチの目に写る。
恐怖と恥辱に声が掠れた。
それを嘲笑うように、サッチはブラの紐を指先でゆっくりと、なぞる。
指先はそのままカップの縁をなぞり、谷間をなぞりゆっくりと下に降りる。
本能的な恐怖で力が入る両足の間に、サッチの片足が強引に押し入る。
「っ~ゃめて~!! ~~~」
恐怖に震え出す体。
声にならない悲鳴。
そして、
流れ出す涙。