• テキストサイズ

海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第26章 牙を剥く悪魔


イゾウの元を去ったサッチは、その足で沙羅のもとへ向かった。
「沙羅ちゃん、ちょっといい?」
軽くノックをし、サッチは扉をゆっくりと開けた。
「!」
「・・・」
目線があった瞬間、サッチの目は見開かれ、沙羅は気まずそうに目線を反らした。
その手にはリュックサックが握られていた。
「・・・どうしたの?リュックなんて」
どこに行くのとは聞かない。
答えはわかりきっているのに、サッチは無意識に核心を避けた。
「ごめんなさい、私、・・・」
「なんで?!沙羅ちゃん、ゾイドだよ?わかってる?!」
いけないと思いながらも、サッチは沙羅の腕を握り、詰め寄った。
だが、その様子にも戸惑うことなく、沙羅は伏し目がちに呟いた。
『狙われたのはマルコなんでしょ?』
「! ・・・」
思いもよらない言葉にサッチは目を見開き、
力が抜けたように、どすん・・・と、
ベッドに腰をおろした。
深いため息が沙羅の部屋の空気を、さらに重たくする。
「聞いて、たんだ」
やっとの思いで絞り出したような、
苦しげなサッチの声が、部屋に落ちた。
それは、食堂でラクヨウが大声をあげるより、
少し前、
繰り広げられていた会話。


マルコからの報告によれば、
島でおきているトラブルは行き違いから来るもので、
すぐに収まるだろうこと。
そもそもトラブル自体が、意図的に引き起こされている気がすると言うマルコ。
島についてから、常に視線を感じる。
いざこざの仲裁に入れば、必ず誰かに攻撃された。
そんな話の流れの中で、発生したマルコによく似た者の銃撃事件。
本当は誰が狙われたかなど、サッチとラクヨウの話を始めから聞いていれば子供でもわかる事だった。
/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp