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海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第23章 二つ島~危機~


襲撃の翌日。
一旦帰還した白ひげの部屋に全隊長が会していた。
予想はしていたが、襲撃者達は寄せ集めの集団だった。
イゾウやハルタが、少しばかり脅せば彼らはあっさりと口を割った。
恨みを持っていた者。
宝を狙っていた者。
名を上げたかった者。
目的も様々だった。
白ひげ海賊団が二つ島に停泊しているとの情報を元に集まった彼らは、機会を伺っていた。
そこへ流れたモビーディックに白ひげ、隊長、副長不在の情報。
狙わない手はなかった。
残る問題はそんな彼らの情報源。
「裏切り者がいるってことだよな」
「そいつが、わからねぇと本当の狙いがわからねぇな」
ナミュールとラクヨウの言葉にマルコが頷いた。
「当たりは、あるのか?」
今まで事の流れを黙って聞いていた白ひげが徐に、口を開いた。
その口調はどことなく、怒気をはらんでいて数名の隊長達は息を飲んだ。
それに気がつきつつ、マルコとサッチは頷き合うと口を開いた。
「オヤジ、アキタ島の件を覚えてるか?」
「・・・白い髭海賊団か?」
サッチの問いに白ひげの金色の瞳が鋭く光った。
アキタ島は白ひげの縄張りで、知る人ぞ知る酒の名産地だ。
白ひげも毎年その酒を楽しみにしている程。
だが、数年前、アキタ島は酒を造ることができなくなった。
酒を造る蔵元が急に店を畳んだり、職人である杜氏が、襲われたのだ。
その原因が、当時億超えのルーキーと世間を騒がしていた白い髭海賊団だった。
彼らは白ひげ海賊団を騙り、暴利を貪っていた。
が、白ひげ海賊団の縄張りのアキタ島は騙されなかった。
逆上した白い髭海賊団は、蔵元の身内を人質にした。
それでも屈しない場合は、杜氏を襲った。
無論、白ひげ海賊団がそんな暴挙をいつまでも許すはずはなく、偽物は壊滅した。
「白い髭海賊団の船長には、弟がいたようだよい」
言いながらマルコは一枚の手配書を全員に示した。
黒い髭海賊団、マーシャル・ピーチ、3億ベリー。
「兄より高いな」
「ややこしいな、似た名前がうちにもいるじゃねぇか」
「でも何でこいつが犯人なんだ?」
船の修理や犯人探しに出ていた隊長達からあがる疑問。
するとサッチが苦笑いを浮かべた。
「イゾウが・・・ちょっと、な」
「「「・・・」」」
数名の隊長達の顔色が悪くなった。
イゾウは白ひげ海賊団で、最も尋問に長けた男だ。
襲撃者達の中に情報源を見知る者がいたのだろう。
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