• テキストサイズ

海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第23章 二つ島~危機~


「久々に本気出したな」
甲板に残る、人、一人分のクレーターのような凹み。
そこを中心に破損しているモビーディック号を見ながらサッチは、自慢のリーゼントを困ったようになでた。
「モビーが滅茶苦茶だ」
ジョズはため息をつきながら破損した甲板の部品を拾い上げた。
「噂以上だな」
スピード・ジルが驚きを露わにした。
「こんな芸当しやがって・・・」
イゾウが愉快そうに笑う。
そんな隊長達に、一人のクルーが『あの~・・・』と視線を漂わせながら訪ねた。
「どうした?」
自隊の隊員の声にサッチはすぐに返事をした。
「マルコ隊長って、覇王色の覇気も持ってたんですか?」
その質問に、近くにいたクルー達の意識が集中した。
「何でそう思う?」
キングデューが尋ねた。
すると、数名のクルーから声が上がった。
曰く、
マルコ隊長は、何もしてないのに襲撃者達が次々に倒れた。
自分達にも熱気のような何かが当たった。
モビー全体が揺れた。
マルコ隊長の足元がいきなり凹んだ。
それらを聞いた隊長達は苦笑いを浮かべた。
クルー達がそう思うのも無理はない。
一般的な認識として、武装色の放出で人が倒れたり、物が壊れることはない。
が、マルコにはそれが可能だった。
武装色を覚醒させた者だけがなせる技。
触れずに相手を倒す力。
そう説明すれば、自分達でも鍛錬すればできるのか?という声が聞こえた。
サッチはその問いに、今は亡き、マルコの師匠であり、白ひげ海賊団一番隊隊長、歳三を思い浮かべた。
歳三は、武装色と見聞色を極めた者だった。
その歳三に師事したからこそ、マルコもまた武装色を覚醒させることができたのだろうか。
それとも天賦の才か。
どちらにせよ、誰もができることではない。
実際、隊長達は全員覇気使いではあるが、全員が覚醒しているわけではない。
ましてやマルコ程の強い武装色を操る者はいないのだ。
サッチはにっと笑った。
「さぁな」
その応えに、さらに疑問を投げかけようとした所で、後片付けをするよう、ビスタがクルー達を散らした。
隊長達もそれぞれの役割を果たすべく、足を踏み出し、そこで、ラクヨウの感嘆の声にまた足を止めた。
/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp