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海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第23章 二つ島~危機~


 その頃、マルコとサッチは飲み会の場所を物色しながら夜島の街をぶらぶらとしていた。
きっと自分達も含めて大半が泥酔するに違いない。
危うい酒場は選ばない。
ご飯が美味いのも外せない。
酒の種類も量も必要だ。
「意外と見つからねぇな」
「まぁ、昨日決めて、いきなり今日じゃねい」
何となく思い立って久々に隊長同士で飲もうとなったのが昨日。
そうと決まれば、隊長とはいえ、元来自由気ままな海賊だ。
すぐに飲もうと話はまとまったのだった。

 見るとはなしに、人波を眺めつ歩く二人。
「っとわりぃ」
サッチが軽くぶつかり、相手に声をかければ相手も同じように去っていく。
「人が少しばかり多いねぇい」
「そうか?・・・言われてみれば」
サッチは若干首を傾げつつ相槌を打つ。
と、視界の端に入った飲み屋の看板に、サッチは何か言いかけたマルコを促した。
チラリと辺りを見ながら、店の作りを確認する。
万が一戦闘になった際に、なるべく周りに迷惑をかけたくはない。
接地している1軒以外は、独立した店だ。
裏手側は海に面していて景色も良さそうだ。
店の大きさもちょうどいい。
酒の種類も、看板を見る限り豊富だ。
「入ってみようぜ」
「よい」
二人は足を踏み入れた。
雰囲気も悪くない。気取らず、だが、血気盛んな者が来るほど荒んでもいない。
軽食程度に注文すれば、量も味も満足だった。
二人は、その場で店に予約を取った。
軽くお酒も入れば他愛もない会話で盛り上がる。
その心地よさに、二人は先程感じた微かな違和感を忘れてしまった。
マルコが言いかけた言葉。
『島の奴なのかねぃ?』
サッチにぶつかった男も、マルコとすれ違った男も、どことなく島の住人ではない気がしたのだ。
だが、その言葉は発せられることなく、昼島は明るい夜を迎え、夜島は隊長たちを迎えた。
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