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海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第3章 偉大なる双璧


“・・・”
 目を覚ましたマルコは、ベッドから起き上がり、辺りを見回した。
見知った医務室は白ひげ海賊団のもの。
「・・・!っ沙羅?!」
はっと意識がはっきりとしたマルコは叫んだ。
「お、起きたな」
すると船医が顔を出す。だが、マルコは船医に掴みかかるように言った。
「沙羅は?無事なのか?!」
「無事だよ、っつーか、俺の心配はなしかよ?」
騒ぎに気づいたのだろう、サッチが剣が突き刺さった辺りを“トントン”と示しながら入ってきた。
「てめぇの心配なんかするかよ!!」
「冷たいなぁ、親友の心配くらいしろよ」
「馬鹿言ってんじゃ・・・」
「マルコ!!」
マルコの言葉遮り、騒がしくドアを開けた沙羅はその胸に飛び込むように抱きついた。
「沙羅!!怪我は?大丈夫なのか?!」
「大丈夫、マルコが守ってくれたから」
笑顔を浮かべた瑠璃色の瞳と、紅梅色(*)の唇がマルコの眼前にうつる。
「っ・・・」
その思いもよらぬ近さに言葉を詰まらせ、目を逸らせば、ニヤニヤとしたサッチと視線がぶつかった。
「・・・」
自分でもよくわからないが、後ろめたいような、気恥ずかしさにギロッと睨み返すも、その表情は迫力にかけている。

 妹のようだと思い込んでいる心の奥底で、沙羅に欲情したマルコは、
それに気づくことなく、ただただ言い知れぬ罪悪感だけを感じていた。

*紅梅色(コウバイイロ):やや紫みのある淡い紅色

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