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海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第3章 偉大なる双璧


 食らいつくように必死に自分を睨みつけるマルコを無視し、ハワードは歳三に怒りを向けた。
「じじい・・・てめぇの好みなんて聞いてねぇよ!!」
全く思い通りにならない事に、怒り狂い、覇気を纏いながらゆっくりと歩いてきた歳三に襲いかかる。

マルコの目に、歳三の腕が、刀が黒く移った。

“斬(ザン)っっっ・・・”

マルコにも、ハワードにも、太刀筋はおろか、腕の動きすらも見えなかった。

『?』
ハワードは、まじまじと自分の下半身が後ろに、仰向けの状態で倒れていく様を見つめた。
次いで、地面がゆっくりと近づいてくるのを見た。
「相手にならんお前さんを斬るのはつまらんと言うたじゃろう」
消えゆく意識の中でハワードは、
己の勘違いに気づき、そこで、果てた。


“ーーー”

「マルコ!!」
今度こそ薄れていく意識の中で、泣きながら自分を呼ぶ沙羅の声と、その手から溢れ出す透明な球体が見えた。

“しゃら・・・シャラリ・・・”

耳慣れた不思議な音と
ゆらゆらと揺れる視界の先に見える不思議な色の海。
微かな浮遊感。
温もり。
絶対的な安心感。
記憶はないけれど、母の体内にいるというのは、
こういうものだろうか。
視界の先に広がる不思議な色の海はまだ眺めていたいけれど、その心地よさに逆らうことはできず・・・
マルコの意識は、深く沈んでいった。
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