第16章 決戦のハレム島
マルコの愛撫に体がぴくぴくっと反応し、力がはいらなくなっていく沙羅。
背後にいるサッチに寄りかかるように支えられ、辛うじてベッドに座っている。
当然、サッチの体にはその反応の全てが伝わっている。
“もしかして”
サッチは微かに目元を緩ませて沙羅を見つめた。
“沙羅ちゃん、結構感じやすい?”
「・・・ッン・・・」
頬を染め、呼吸を乱し、耐えきれずに漏れる悩ましい声はサッチすらも誘惑した。
ほんの悪戯心。
サッチは大胆に開かれていたうなじに微かに舌を這わした。
「!ッアっ・・・サッチ隊・・・長・・・」
非難するように睨まれながら言われサッチは悶絶しそうになった。
“沙羅ちゃん、エロすぎ”
今まで“意識的に”そういった目で見ないようにしていたサッチは想像以上の反応に戸惑う。
“まいったな”
反応し始めた自身と、マルコから向けられた体を射抜くような視線に内心苦笑する。
“沙羅ちゃんはまだお前のじゃないの”
胸の内で悪態をつきつつも、これ以上沙羅に触れるつもりのないサッチはマルコの視線を軽く流した。
対するマルコはサッチに反応した沙羅を責めるように着物の合わさる所に手をかけると、ぐいっと押し広げた。
「?!っ・・・」
露わになった肩。
微かに覗く胸元。
沙羅の手がシーツをぎゅっと握った。
「沙羅・・・」
ふるっと体を震わせて反らされていた視線を自分に向けさせようと殊更優しく名前を呼ぶマルコ。
その声音は雛鳥が初めて見た者を親と思い込むように、無条件に沙羅の心を安心させた。
対するサッチはマルコの意図も沙羅の心の内も、実際のやり取りも全てわかっている。
“あ~、それはまずいだろ”
思わず、マルコを軽く睨んだ。
マルコの目には色欲がはっきりと浮かんでいる。
その目を、
男の目を、
沙羅に、
向けた。
目を瞬かせ、見たことのないマルコの表情に怯える沙羅。
“だ~!その顔はまだ早いから!”
状況が状況なだけに叫ぶわけにも行かず。
サッチは一人やきもき。
怯えた沙羅は、マルコから距離を取ろうとズズッと体を後退させるも、サッチに阻まれて僅かに足掻くのみ。
その沙羅に恨めしそうに睨まるサッチ。