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海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第16章 決戦のハレム島


 その反応の違いを見比べつつ、今にも殴りかかって来そうなマルコに言った。
「本番じゃねぇよ、ふりだ、ふり」
「あぁ?!」
怒り半分、疑問半分のマルコは、それでも辛うじて冷静さを取り戻した。
そのやり取りに水揚げの意味を察した大人のサッチ。
未だに全く理解していない沙羅の頭を撫でて、二人の間に入った。
「話はわかったが、それで何を調べるんだ?」
するとイゾウはまた、くつりと笑い、話し出した。
ナイトルームは“本番”ができる部屋らしい。
基本は店の女が誘う、が、紹介さえあれば店の者以外の女との行為も可能らしい。
御曹司イゾウの大事な取引先相手とその連れとして遊女に扮した沙羅を紹介してナイトルームに潜入する計画を練ったイゾウ。
「考えは悪くねぇが、御曹司の取引相手はどうすんだよい」
ふりだけとは言え、まさか見知らぬ男と沙羅を二人きりにするつもりはない。
するとイゾウはくつくつと笑った。
「おいおい、何のための不死鳥マルコだよ、なぁ?双剣のサッチ」
「!!」
「・・・」
マルコは、はっと気がつき、サッチは嫌な予感しかしない。
「白ひげ海賊団の不死鳥マルコと双剣のサッチ、いいブランドだと思わねぇか?」
自分の役割が今一わからないが、どうやら妖しげな事らしいと、察した沙羅は微かに頬を赤らめながらも頷いた。
そんな沙羅を
“何もわかってねぇのに頷くんじゃねぇよい”
とマルコは獲物を捕らえた猛禽類のような目で見下ろした。
対するサッチは、もう頭を抱えたい気分だ。
確かにナイトルームに潜入するには一人でも仲間が多いほうが手っ取り早い。
だがふりとは言え、初夜、サッチらしく言えば初エッチに男二人とはあまりにも酷い話だ。
これでは、先日のマルコとイゾウだ。
そこまで考えてサッチは、気がついた。
「・・・イゾウ、もしかしてこの前の・・・」
瞬間、イゾウの口元が満足気に弧を描いた。
「さぁて、マルコ、行こうぜ」
すると示し合わせていたかのようにマルコもニヤリと笑い、立ち上がった。
「沙羅、細けぇことはサッチが話してくれるよい」
「あぁ、“お兄ちゃん”だもんな、いろいろ教えて貰いな」
意気投合、いや、結託した時の息の合いようにサッチは為す術がない。
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