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海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第15章 ハレム島に巣くう闇


 翌日、三人はホテルを訪れた。
幸い、ラクヨウを唖然とさせた娯楽施設とホテルは別々の出入口があり、マルコとイゾウはほっと胸をなで下ろした。
『三名様、ですね』と言った時、フロント係は微かに沙羅を見、マルコを見、イゾウを見た。
『どうぞごゆっくり“お楽しみ”下さい』と意味深に言う辺り、真っ当なホテルとは異なるのだろう。
ロビーは高級感溢れ、レストランも充実しているが、食事にルームサービスを積極的に薦めるあたり一般的なホテルとは異なる。
もちろん偵察に来たマルコ達はレストランを選択したのだが。
 
 部屋に付くと沙羅は目を輝かせた。
眼前にはハレム島の華やかな街並みが広がる。
広いお風呂に充実したアメニティ、飾られた可愛らしい花。
対するマルコとイゾウは部屋に入り呆然としたまま、ベッドを見つめた。
何サイズと形容し難い巨大なベッド。
大人三人が横になっても全く問題はない。
が、ベッドは一つだけだった。
「・・・」
マルコは首筋を搔きながら、荷物を置いた。
イゾウも小さく息を吐き、荷物を置くとベッドの下にある引き出しに手をかけ僅かに目を見開いた。
「イゾウ?」
そのまま固まったイゾウに、マルコが声をかければ意味深に視線を引き出しの中に落とした。
「・・・」
思わず頭を抱えたくなったマルコ。
薄々気がついてはいたが、どうやらラブホテルと高級ホテルが一緒になったホテルらしい。
引き出しの中にある“大人”の玩具に頭痛覚えた。
ただでさえ、ハルタの言葉や、目の前のベッドに良からぬ思いを覚えそうになっているというのに。
二人は熱を帯びそうになる体を抑えるように息を吐いた。
「ねぇ、ナイトウェアないのかな?」
ちょうどそこへ部屋の探検を終えた沙羅が戻ってきた。
ギクリとしつつ、振り向いた二人の足下の引き出しに気づいた沙羅。
そのまま引き出しに手をかけようとしてマルコに止められ、イゾウに導かれ大きなクローゼットを開けた。
そこには色も形も様々なナイトウェアがかかっていた。
「・・・寒そう」
透け透けのナイトウェアを見て沙羅は溜息をついた。
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