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海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第14章 ハレム島へ向けて


しかしマルコはそんな沙羅を制するように、強引にドアを押し開け、そのまま体を滑り込ませた。
パタンと無情にも閉まるドア。
余程気分を害したのだろうか、鋭い目のままのマルコにそう思った沙羅は泣きたくなった。
「そんな目で見ないで・・・似合わないのはわかってるから・・・」
「似合ってる」
「?!」
自分の言葉に被せるように発せられたマルコの言葉。
思わず自分の耳を疑った。
ぎょっとした表情の沙羅。
その耳元に、マルコは唇を寄せて再度言った。
「似合ってるよい」
マルコの声や息使いを耳元に感じた沙羅。
それだけでも体がカッと熱くなり、秘めた感情が顔に出てしまいそうになった。
が、沙羅の肩口から鎖骨下を“ツツッ・・・”とマルコの指がつたった。
「っ・・・!」
体を硬直させ、顔を真っ赤に染めた沙羅。
そんな沙羅の反応に気を良くしたマルコはわざと視線を合わせると、にやりと笑いさらに言葉を続けた。
「綺麗だよい、ただ、男の前でそんな格好すると喰われちまうよい」
「っっ!!」
あまりのマルコの色気に沙羅は眩暈を覚えた。
年上ではあるが、極端に違わないはずなのに、この大人の男の色気は一体どこから来るのか。
どう反応したらいいのかもわからず、視線が右往左往する。
とにかく、この状況から逃げ出したい。
そう思った沙羅はマルコから距離を取るために後ろに下がった。
背後はフィッティングルームの鏡張りの壁。
その鏡に、いつもは服で隠れて見えない均整の取れた肩甲骨や滑らかな背中が映る。
「!!」
その光景にマルコはごくりと唾を飲んだ。

“もっと追いつめてやりたい”

薄々気がついてはいたが、沙羅は無意識に男を煽る。
特に自分のようにSっ気の強い男にはたまらない。
だからイゾウも惹かれているんだろうと、自分と似た気質のイゾウを浮かべた。
このまま、逃れられないように鏡に手をつけば、間違いなく羞恥に震えマルコの望む顔を見せるだろう。
だが、さすがにこれ以上は理性が持ちそうにない。
マルコは沙羅に気づかれないように、内に篭もった熱を逃がす為に小さく息を吐いた。
「・・・それで?」
言いながら、フィッティングルームに掛けられた服を眺めた。
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