第2章 出会い
男は自分を見上げた後、マルコを見つめた少女に目を奪われた。
マルコより一つ年上の彼は、青年の域に入り始めている。女の守備範囲は広い方だが、好みのタイプはグラマラスな女だ。
だが、不思議な色の瞳を持つ少女に心の奥が呼応し、反応せずにはいられなかった。
『・・・して、沙羅と言います』
その声に、一瞬奪われていた意識が戻る。
「沙羅ちゃん?」
「はい?」
首を傾げる動作が可愛らしい。
「俺はサッチ、よろしくね、沙羅ちゃん」
差し出された手を握ろうとする沙羅をマルコが制す。
「沙羅、触るんじゃねーよい」
「マルコ?」
「手が汚れる」
サッチの邪な心は、悪友のマルコには伝わったらしい。
だが、サッチの手のひらを眺めた沙羅は、『汚くないよ?』と言うと握手を交わした。
その瞬間、細められたマルコの目をサッチだけが見ていた。