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ヒーローが死なないとは限らない。

第2章 俺は平凡な高校生、隣の奴は…?


椅子に着いて一息つくまでには机と椅子を教室の端まで持ってくる必要があった。


気にならないといえば嘘になるので、その際に転校生の顔を見ようとしたが人だかりが邪魔で無理だった。


でもチラッと見えた黒髪は綺麗だった気がする。


ま、朝のHRにはみんな着席するし大丈夫かな。



そう思いながら俺は奏と一緒にくだらない話をした。







「鐘なったぞ〜!席座れよ〜!」



そう言いながら先生が教室に入ってきた。


みんなバタバタと席に着く中、俺も机といすを移動させて隣を見てみる。





…意外と可愛い!!

大体こういうのはビミョーな感じの顔ってのがお決まりなんだけどなぁ。



目はクリッとしてて、唇も程よい厚さ。
小さな顔の周りにストンとあるツヤツヤの黒髪。


普通にアイドルとかしてそうな顔だ。


そう思ってバカみたいに見つめていたら、彼女がこちらを向いた。


横顔は大人っぽいけど、正面から見たら少し幼げだ。


「えっと…齊藤 優里です!
よろしくお願いします!」


「あっ、俺は来栖 亜紀斗!よろしく」



そう言うとニコッと微笑んで彼女はまた前を向いていた。


普通に良い子そうだし、平和で過ごせそうだ。



そう思ってると担任に彼女が呼ばれ、黒板の前で自己紹介が行われた。


「齊藤優里です!

本当は半年前に皆さんと出会う予定でしたが、いろいろあって遅くなりました!

皆さん、よろしくお願いします!」



そう言ってぺこりとお辞儀した彼女は少し顔を赤くして席に戻ってきた。



「へ、変じゃなかったかな?///」


髪で顔を隠しながら俺に聞いてくる様子はなんだか小動物のようだった。


「うん、大丈夫だったと思うよ」


そう言うと、安堵した様子だった。





こうして朝のHRを終え、1限目の準備をしようとしたら担任が1限目は自習だということを伝えてきた。


おっ、ラッキー!しばし睡眠と行くかぁ〜!


教科書を机の上に積み重ねた特製の枕を用意していた時に、消しゴムが床に落ちていた。


多分、齊藤さんのだと思ったので、今は席を外している彼女の机の上に置いておいた。



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