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ヒーローが死なないとは限らない。

第2章 俺は平凡な高校生、隣の奴は…?


「はよ〜っす!日記つけたかー?亜紀斗ちゃん?」



朝から騒がしい声で俺に挨拶をしてきたのはクラスメイトの桐生 奏(きりゅう かなで)だった。



「おはよう、…ちゃんとつけたよ」


ため息混じりに俺は答えておいた。



俺の名は来栖 亜紀斗 (くるす あきと)。
高校二年生、非リアで凡人メガネ。
趣味というか癖なのは日記。

男なのに日記をつけてる為、こいつからは稀に「ちゃん」と呼ばれる。



正直こいつが俺に絡んでくる理由はよく分からない。


だってこいつは成績優秀、スポーツ万能、モテ期は生まれた時から続くような奴だ。


思いつく理由は幼稚園の時からなぜかいつも同じ学校という腐れ縁。


客観的な目で見たら『親友』なのかもしれない。



「あら?怒っちゃった?…悪かったよ!
そ、れ、よ、り!これ見たか⁉︎」



軽〜く謝られたが別に慣れているのでスルーして、見せられたスマホの画面を見る。



「へぇ……やっと来るんだ…」



SNSのアプリでクラスメイトが挙げていた投稿を見て、俺はそう言った。


今日から俺の隣の席の奴が登校してくるらしい。


2年生の時に転校してきたものの、登校初日に事故に遭いって長期入院で半年間休んでいたのだ。



「なんだよ、随分ドライだなぁ〜?せっかくお前の隣の席がやっと埋まるというのにさ?」



まぁ、その通りなんだが隣がいないというのは便利でもあった。


隣の机まで使えるから机は広く使えるし、うっかり寝ても寝顔を見られることがない。



「ほら、早く行こーぜ?可愛い子だったらいいなぁ〜!」


と言って奏は俺の背中を無理矢理押して走らせた。



学校に着き、教室へ向かう途中に気づいたがいつもよりも2年生フロアに人が集まっている。


それでもなんとか教室前に行くと前後の扉から何人もの人が中を覗いていた。



「すいません、入れさせてください」


と言いながら入ったはいいものの、俺の席の周り…と思われる場所に人しかいなかった。


どうやらその人がもう登校していて、みんな興味津々なようだ。


「頑張れよっ!」と背中を叩かれて余裕綽々で自分の席に座った奏を睨んでから、自分の席まで人の中をくぐった。



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