第6章 エピローグ
あの後、すぐに優里の葬式は行われた。
周りはみんな涙を浮かべてるのに、棺の中に入った優里だけが微笑んでいた。
短すぎるその人生で彼女が得たものはとても大きいものだったり、俺みたいなショボいものだったり……。
でもそれを含めてこの笑みなんだろう。
その出来事から2週間ほど経つと、アメリカぎ白旗を上げて戦争は終わった。
テレビでは被害者は【奇跡の0名】何て言われてるけど、みんな知らない。
17歳の華奢な少女が、日本のため、俺のためにと人を殺し、自分も死んでいったことを。
日本を救った英雄、齊藤 優里を知らないのだ。
今はすでに町も再生され、かなり元の状態に戻っている。
俺らの家も再建され、これまた元どおりだ。
変わったことといえば部屋に物がとても増えた。
優里の写真や彼女が使っていた勉強道具、服など。
それは確かに彼女が生きていた証なのだ。
テレビでも報道されない英雄を忘れないために、大好きな彼女を近くで感じるために。
今でも優里を思い、悲しくなることはたくさんあるけど泣いたりはしてない。
それが彼女の願いだからだ。
「優里、これからもずっと愛してる」