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ヒーローが死なないとは限らない。

第5章 俺は一般人、彼女はヒーロー


すべての行為が終わっても少しの間その幸せの余韻に浸っていた。



「付き合ってくれてありがとう、亜紀斗」


「こちらこそ、優里!」



もう一度俺たちはキスをしてから着替えをした。








元の部屋に戻った俺たちは先ほどの映像について語っていた。



「私は花火が好きだったかな〜」


「卒業式の桜も綺麗だった!」



でも2人とも一番好きだったのはもちろん結婚式だった。


お互いの薬指にはめているお揃いのシルバーの指輪がそれを示している。



「俺は世界一の幸せ者だな〜」


なんて言いながら、俺は優里を見る。


「え、優里…⁉︎ 優里!!」



隣にいたのは座って微笑んでる彼女ではなく、苦しそうに胸を押さえている優里だった。


俺はすぐに部屋を出て、廊下で叫ぶ。



「教授ぅぅぅ!教授ぅぅぅ!!」



するとすぐに教授が駆けつけてきて、優里を部屋から運び出す。



「来栖はここで待ってろ!」



教授は慌てながら部屋を出て行った。





俺が来てからまだ4時間…まだ6時間はあるはずなのに……。



俺はまたしてもどうすることもできず部屋にあったベッドで座ってることしかできない。



優里にもう一度会えますように…


どうかこの祈りが届きますように。





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