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ヒーローが死なないとは限らない。

第5章 俺は一般人、彼女はヒーロー


「ーー優里っ!いましたっ!!」



瓦礫の1番下に優里を見つけた。


白くなった羽の中に隠れるようにして倒れてるので怪我の具合が全く見えない。



「優里⁉︎大丈夫か⁉︎」



俺が声をかけると羽がのそりと動いて、優里が現れた。


全身が真っ赤だし、右足なんか皮一枚でギリギリ繋がってる危険な状態。



「ぁ、き…と、こ、れ…」



そんな中で弱々しい声で俺の名を呼んだと思ったらこれまた血だらけの手を俺に出してきた。


受け取ると俺の生徒手帳だった。



「汚して…ご、め……」




そこまで言った時に上げていた手が地面へと落ちる。



「おい、しっかりしろよ!!!」


そう言ってる間に教授と救急隊員が来た。



「離れてください」と言われて俺は無理矢理優里からはがされる。



「来栖、お前は一度家に帰って親を安心させてやれ。連絡する」



俺に小さな紙を渡して、優里と共にヘリコプターで飛び去っていった。








俺は焼け跡を進み、家があったはずの場所へ行くと母と父が立っていた。



「亜紀斗っ…心配したわよっ…」



俺に気づいた母は俺に泣きながら抱きつき、父も安堵の顔を浮かべている。



「うん、遅くなってごめん…」



それからすぐに2人がまとめてくれていた荷物を持って避難所へと向かった。


離れたところにある学校の体育館が使われていて、俺たちは隅っこの方に座る。


俺は携帯に担任を登録して連絡してみたが、すぐには返信は来なかった。



「ご飯とってくるから亜紀斗待っててね…」



母は笑ってそう言ったが、家や大切なものが焼けてしまったのだからかなり無理してるだろう。



ポケットから優里からもらった手紙を取り出して読む。




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