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ヒーローが死なないとは限らない。

第4章 俺平凡な高校生、隣の奴は…怪物?


「きょうつけ、礼。お願いします」


2時限目の数学の時間となり担任が授業を始めた。


あまり好きな教科ではないので開始10分程で俺は睡魔と戦っていた。



「…であるから、これらはすべて合同だと言える。分かったかー?」



頑張って黒板をノートに写し、証明問題を解こうとしていた時だった。



担任が教室内を走って窓を慌てて開けた。


もう秋なので窓を開けられると、冷たい風が教室内に吹き渡る。



「先生〜⁇どうしたんですか〜⁇」


クラスの人が質問をしても、口に手を当てて「静かに」と示すだけだ。


約2分後、俺の視界に何かか入る。

それはだんだん近くなり、翼が見えた。



あ、あれは…優里⁉︎



そう気付いた瞬間には彼女は開いた窓から教室内には入ってきた。


やはり戦場に行っていたようで、今日も全身真っ赤だ。



「…は⁇優里じゃね?」


クラスからは戸惑いの声が広がる。


この姿を知ってるのは俺と担任だけなので当然のリアクションだ。



「黙ってろ!彼女の話を聞けっ!」



しかし担任が聞いたことのないほど威圧的な声を出した為、スッと声は止まった。



「…アメリカ軍を止めることに失敗。

日本への襲撃は確定。最初に狙うところはこの学校。

目的は私の精神破壊、および身体破壊。


至急、全生徒をこの学校の地下へ避難させてください。


襲撃まで残り30分しかありません」



彼女は息切れをしながら話す。

俺は何を言いたいかはもちろん分かったがクラスメイトに分かるわけがなく、いまだにドッキリだと思ってる人がいる。



その中で彼女は歩き始め、俺の席の前まで来た。


「亜紀斗…これ読んでおいて。
それにこの生徒手帳も持っておいて」



机に置いてあった生徒手帳と手紙を俺に渡すと目の前にしゃがんだ。



「ー亜紀斗、大好き。ありがとう」



その瞬間、俺と彼女の唇が重なる。

初めてのキスは血の味だった。



「これもらってくね、絶対返すから」



唇を離すと、俺の胸ポケットに入っていた俺の生徒手帳を取っていった。





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