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ヒーローが死なないとは限らない。

第4章 俺平凡な高校生、隣の奴は…怪物?


あの日、受け取ったままの生徒手帳にはまだ元気だった頃の優里が笑いを噛み殺したような顔をして写真に写っていた。



この頃に戻りたいな……


と考えながらなんの気もなく裏返すと、
俺と一緒に満面の笑みを浮かべている小さな写真が貼られていた。



こんなの知らないんだけど…。



彼氏と彼女の関係でお互いのことをすべて知ってるわけではないが、優里は俺のために何かしてくれた時は必ず報告してくれていた。



写真を触ると、切ったクリアファイルで汚れたり傷ついたりしないように加工されていた。


自分で言うのもなんだが本当に優里は俺を嫌いだったのかを疑ってしまう。


大事そうに写真が貼られていてそんなことを考えてしまう。



俺は携帯を開き、メッセージ画面を開く。



「久しぶり。身体は大丈夫か?

俺考えたんだけど、俺はお前のことが今でも好きだ。

こんな俺だけど優里の事を支えたいんだ。

ダメかな?


それにせめて行く時は「バイバイ」じゃなくて「またね」がいい。」



俺は文を打ち、何度も読み直してから勇気を出して送信ボタンを押した。




こんなにも送信ボタンを押すのに勇気が必要になる時が来るなんて…



そんなことをしていたらなんだか眠くなったので携帯を握ったまま寝てしまった。











翌日、学校に行くと優里はいなかった。

今日もまた戦場へと翼を羽ばたかせたのだろう。


俺は彼女の机の上に生徒手帳を乗せておいた。



そして俺たちは授業を始め、いつもと同じように学校生活を送っていた。



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