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ヒーローが死なないとは限らない。

第4章 俺平凡な高校生、隣の奴は…怪物?


…なんで俺は今引き止めなかったんだ?


そう後悔したが、きっと俺は優里を受け止めきれる器も力もない。


彼女が言った通り、俺は確かに重荷なのだろう。


俺はどうすることもできず、ただ呆然としていた。



屋上にはいたるところにポタポタと血がたれている。


それを見てまた吐き気が襲ってきたので俺は校舎に戻った。



職員室へ行き、仕事をしていた担任を呼ぶ。


預かってくれていた学校リュックをもらい、玄関まで一緒に歩く。



「戦争が終われば0……優里の身体を元に戻す手術をする。

終わるまでの辛抱だ……」



「さっき優里が来ました。全身血の色に染めて…。とても辛そうだった。

俺には彼女を受け止めきれなかった。

終わるまでに優里が壊れてしまう。そんな気がします」



さっきの優里を思い出しながら話すと担任も辛そうに相槌を打っていた。



「俺があんな研究しなければ……でももう後悔しても遅いから、少しでも能力を上げて彼女をサポートしようと思う」


「分かりました。さっきは胸ぐらを掴んですみませんでした。さようなら」



俺はトボトボと帰路を帰って行った。




別れを告げられたことの悲しさと、なにも出来ない自分に自己嫌悪が入り混じって、耐えてないと涙がこぼれそうだ。



今も優里は人を殺してるのだろうか。


頼むから死なないでほしい。



人殺しに死んでほしくないと思うのは変だろうか。


俺は自問自答を繰り返して家へ帰った。



「おかえり〜、遅かったね!」


わざわざ玄関に出てきてくれた母さんにただいまを言ってからそのまま2階の自分の部屋へ行った。



ご飯やお風呂は?と聞かれたが何かをする気分にもならないので断っておいた。



そのあとベッドの上でボーッとしていたらいつの間にか眠ってしまった。






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