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ヒーローが死なないとは限らない。

第4章 俺平凡な高校生、隣の奴は…怪物?


残された俺は1人頭を整理する。


俺の彼女は改造された翼を持つ怪物で
今は戦場に行き、敵を殺してる?


なんてファンタジーの世界なんだ。


俺の彼女は日本を守り、俺は彼女の帰りを待つ。まさに男女逆転。


彼女はヒーローで俺は一般人。



「待つ方も辛すぎるわ……」


俺は優里が守ってくれてるおかげで今日も平和な日本の青空を見た。




優里の事はもちろん心配だ。

でもアメリカと日本の距離で俺が出来る事は何もない。

距離がなくても俺はただの足手まといにしかならない。




俺は本当に具合が悪くなってきたので
しばらく屋上で眠る事にした。












なんかの視線を感じ、俺が目を開けると優里の顔があった。


しかし、体制を起こした時にはあっという間に俺から離れたところにいる。



いつの間にか夕方になっていて、沈みかけの夕日が逆光になり優里が見づらい。


でも彼女の白い翼に赤色がついているのが見えた。


それは紛れもなくとある行為をやってきたからなのであろう。


俺が近づこうと思い、足を踏み出す。



「ー来ないで!…私の話聞いたんでしょ?私は怪物なの!!」


「怪物なんかじゃない!!優里は人間だ」


俺がそう叫ぶと、彼女はあっという間に俺との距離を縮めた。



よく見たら翼だけでなくコートや顔、手にも血がべっとり付いている。

それになんだか鉄っぽい匂いと生臭い匂いが混じっている。



「こんな姿見てもそんなこと言える?
今、私は人を殺してきたの。たくさん!

私は同じ人間を殺す最低なクズ野郎なの。

亜紀斗と付き合ったのだって、苦しくて気を紛らわせたくて…

あなたを利用しただけ!好きでもなんでもなかった!き、嫌いなの!鬱陶しい!

別れよう…あなたが私の重荷なの」




そういった彼女の目からは大きな涙がポタポタと流れてきていた。


そして彼女は遥か上空へと行ってしまった。



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