第4章 俺平凡な高校生、隣の奴は…怪物?
それから少しして屋上に担任が来た。
「体調が悪い、って事になってるからそこんとこよろしくなっ!」
こういう軽い感じなのは変わらない。
「それで、教授とか、01とかなんなんですか?」
担任は一呼吸ついて、俯きながら
話し始めた。
「…俺の本当の職は高校の先生ではなく、日本最先端の研究をしている研究所の教授だ。
そして01、要するに優里は俺の実験台第1号だ。
俺がやってる研究は人が最大限持てる能力を更に高めさせた上で、動物のDNAと混合させて『怪物』を作る事。
半年前、彼女は俺の実験材料となり、手術をして出来上がったのはあれだ。
01は筋力、知力、など様々な力に置いて一般人の遥か上をいく。
加えてあの羽を持った01はもはや人間ではない。世界最高峰の『殺人兵器』だ。
そんな彼女は国家機密となり、戦争に使われる事となったんだ」
「じ、じゃあ今、優里は……」
「敵国の襲撃を止め、敵を殺しに行っている」
淡々と語ったその男の胸ぐらを俺は勢いに任せて掴んでいた。
「なんでもっと早く教えかてくれなかった⁉︎いつ死ぬか分からないのに、いつ殺されるか分からないのに……
今も人を殺してるかもしれないのに!!
なんで優里なんだよっ!!」
こんな事をこいつに言ったって今はもう無駄なのは分かってる。
でもこの怒りを誰にぶつければいいかわからない。
胸ぐらを掴んでいた力はだんだん弱くなり、俺はその場に崩れ落ちる。
「01は幼い頃に両親を亡くし孤児となっていた。そして我々は孤児院にいた彼女を買った」
「01って呼ぶな!あいつは優里だ!それ以外の何物でもない!怪物なんかじゃない!」
「…すまん」と謝った彼はもう話す事はないと言わんばかりに俺を置いて出て行った。