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ヒーローが死なないとは限らない。

第4章 俺平凡な高校生、隣の奴は…怪物?


また俺の脳内に”顔を上げるな”という警報が聞こえた。



「教授…もう亜紀斗には話さなきゃ。
このまま隠し通すなんて無理です」


優里の声が聞こえたと思ったら、あの異様な影が俺の近くまで来た。



なんで優里の声と一緒に、影まで動くんだ……。


自分の頭の中で問うてみたが出る答えはたった1つだ。




「顔を上げて……」



俺は半ば無理やり体制を起こされて、目の前の現実に眩んだ。



異様な影の持ち主はやはり優里だった。




顔だけ見ればいつもとの違いは髪を結んでいるということだけ。


でも服装は制服ではなく、足首まで丈のある長くて黒いコートのようなを纏っている。




そして彼女の背中からは真っ白な大きな羽が生えていて、時々動いている。



「本物か…?…その羽」


ここまでして「コスプレでした」なんでオチはあり得ないが、俺は何かを期待して馬鹿げた質問をした。



彼女は言葉は発せず、羽を使って少しだけ体をふわっと床から浮かした。



「あはは、マジか…。夢じゃないよな?」



「……残念ながらね」



もう頭がおかしくなりそうで、変な笑いがこみ上げてしまった。



「俺が訳を話しておくから、お前はもう行け」



担任がそう言うと彼女は窓を開け、窓の枠の部分に乗って力んだ瞬間ー


「ー優里…どこ行くんだ?」



俺がそう言うと、止まってこちらを向いた。



「…教授に聞いて。…はいっ!」


優里は俺の方に何かを投げてきたので、受け取ると彼女の生徒手帳だった。



「バイバイ…亜紀斗っ」



そう言った彼女は窓を蹴り、そのまま空高くへと飛び立った。


キレイだ…


と思っていたら空から1枚の羽が俺の元へと落ちてきた。



「先生、彼女は一体……」



「場所を変えて話そう、屋上でいいか?」



俺はそれに了承し、一足先に屋上へ向かった。








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