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ヒーローが死なないとは限らない。

第3章 俺は平凡な高校生、隣の奴は彼女


授業中も眠り、一回名前を呼ばれたくらいでは起きれないほどの寝不足。



2ヶ月ほど前に初めて会った彼女と比べた時の元気のなさ。



絶対何かあるな……。



俺はなにかの責任感に駆られた。




「先生、腹痛いのでトイレ行きます」



手を上げて普段なら恥ずかしくて絶対に言えないセリフを言って教室を出た。



教室を出るとまだ廊下を担任と優里が歩いていたので柱に隠れる。



どうやら少し先の教材室に入ったようだ。



忍歩きで教材室まで行き、扉に耳をつけて話を盗み聞きをする。



「01(ゼロワン)、これが今回の資料だ。


…怪我の具合はどうだ?
だんだん治癒能力が下がってきているからあまり攻撃を受けるな。


私も今、能力を回復させる薬を開発しているから」




「…ありがとうございます、教授」




中から聞こえた声は確かに2人の声だが、何について話しているかわからない。




01……教授……治癒能力……攻撃……?


さっぱり意味がわからない。




それから中から窓を開ける音がした。



「それでは行ってきます。…これ持っといてくださいね」



「あぁ…万が一そうなったらちゃんと来栖に渡しとく」



俺の名前⁉︎ 何を渡したんだ⁇




そう考えていると、大きな鳥が羽ばたくような音がした。



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