第3章 俺は平凡な高校生、隣の奴は彼女
そう考えていると彼女は席に戻るなり俺にこう言ってきた。
「ごめん、ちょっと急用できちゃった!帰らなきゃ……」
そう言いながら財布を出そうとしたが、俺はそれを引き止めた。
女の子に、しかも好きな人にお金を出してもらうなんてカッコ悪すぎ。
「俺が払うよ、行っておいで!またね」
俺は彼女に先ほど買ったクッキーを渡して、扉まで連れてった。
「ごめん、ありがとう!またね」
そう言って優里は相変わらず顔を青くして、手を振って走って行った。
明日、普通に学校来るといいけど…
と思いながら、こんなおしゃれなカフェに男1人いても虚しいだけなので足早に去った。
家に帰り、優里にメッセージを入れとく。
ちなみに背景の画像には楽しそうに笑う俺と優里の写真だ。
俺とあいつじゃ釣り合わないと思っていたけど、初恋は叶ったのだ。
なんて考えていると、すぐに既読がつきメッセージが送られてきた。
「今日はごめんね、大丈夫だよ!
忙しいのでまた明日っ!!」
猫が汗をかきながら謝っているスタンプ付きで送られてきたので、いつも通りっぽい気がする。
まぁ、大丈夫か…。とりあえず風呂入って寝るかな。
俺は日記を書いて、早めに布団に入り寝てしまった。
翌日、
いつものように目を覚まし、登校をしていると奏と合流をした。
「戦争が始まったって言われてもミサイルが来てるわけじゃないからな〜」
と奏は空を見上げて、呟いている。
確かにいつものように平和すぎて戦争が始まっただなんて考えられない。
「今のところ全部攻撃を食い止めてるらしくて、日本には到達してないんだとよ〜」
そんなことを話しながら学校に着くと、いつも入るはずの席に優里がいなかった。
遅刻かな?今までそんなことなかったけど…
そう思っていたが担任がHRで彼女が今日は休みなことを告げて、心配になってしまった。