第3章 罠を仕掛けたらどっぷりハマっていました…一期一振
「んっ、はぁ…あるじ、どの…ぁるじ…ぅっ、あ…はぁ…」
私の羽織りの匂いを嗅いで、大きくなった陰茎を上下に行ったり来たりさせている一期一振。私は襖の外から彼の喘ぎ声を耳にして、完全に入るタイミングを見失ってしまった。少し襖を開けて覗き見て、終わるまで観察しようと見つめる。彼は自慰行為に集中しているのか、私がいる事に気付いておらず快感に浸って見えた。色っぽく瞳を閉じて主と名を呼び、私に欲情する姿に、ぞくっと身体が震えた。
+++
本当は知っていた。執務室で仕事をする私の後ろで、いつも彼の熱視線は感じていた事にだ。けれど私の近くには寄らず静かに息を潜めるように正座をしており、私の声にピクリと反応しとても優しげな表情を浮かべて応えるのだ。これは…自惚れていなければ、一期は私の事を好きなのではないだろうかと思う。薬研くんや乱ちゃん達に聞いて見ても間違いはないだろうと頷かれた。寧ろいち兄の恋人は主がいい、主がお姉さんなら凄く嬉しいと言われてしまい…それでも良いかも知れないなと流されてしまいそうになったのは内緒である。
+++
そんなある日、羽織りを彼に持たせて湯浴みに行って来ると伝えてから席を離れた。いつもはお風呂を楽しんでゆっくりと入浴するし、そのつもりだったのだが今日中に終わらせなければいけない書類を上から頼まれたのである。とても残念に思いながらも軽くシャワー浴だけを済ませて直ぐに執務室へ帰って来た。そして今に至るという訳だ。
「はっ…ん、あ…はぁっ…ある、じ…どの…あるじっ…どの…申し訳、ありませ…くっ、んん゙…」
ぶるりと身体を震わせて、必死に声を我慢している。私に何度も謝っている為罪悪感はあるようだ。けれど軽い好奇心で匂いを嗅いだはいいが、股ぐらがいきり立ち処理せざるを得ない状況になった。その時一期は私が帰って来るまでに処理すればバレずに済むのではないだろうかという想いと、これから待つ快楽に負けてしまったと考えられる。
「ぁっ…はぁ、はぁ…あ、あるじ…もぅっ…ぁあっ!」
一際高い声を上げれば、私の羽織りにべっとりと付いてしまった精液があった。まぁ…別に洗えばいいんだけれども、これは少しお仕置きが必要かな?と目を細めて襖を手に掛ける。荒い息遣いで放心状態の一期は私がいる事にまだ気付いていないようで、私はわざとらしい演技で彼を見下ろした。
「一期…」