• テキストサイズ

sing sing sing!!!《短編集》

第2章 おそ松さん《松野 一松》




「クリスマスなのに何でこんな小汚い店に1人でいるの?
彼氏いないの?」


なんて、デリカシーの欠片もない長男の言葉に

「本当にクズでごめんね」なんて言いながら
きっとみんな彼女言葉に期待している。



こうやって弱いお酒を煽りながらも
彼女の言葉に耳を傾けている僕だって同じ様に



くいっとお猪口を飲み干すと

『いる‥‥‥かな?

ねぇ、一松くん?』
少し恥ずかしそうな掠れた声で答える彼女は
僕の方に視線を向け
ね?と首を傾げている


「え?」

「「「えーーー?!」」」

みんなの顔が一斉にこちらを振り向く


「いや、なんで一松が驚いた顔してんの」


「驚いたのはこっちだよ!
何?なんで何も言ってくれないの?
お兄ちゃんここがぎゅってなるよ?」


次から次へと飛んでくる兄弟の文句と
彼女の言葉の意味にグルグルと頭が回り
少しずつ気が遠くなっていった。
/ 84ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp