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sing sing sing!!!《短編集》

第2章 おそ松さん《松野 一松》




あれから、何にも変わりなく
はじめは少し気まずかったけど
いつも通りに笑っている彼女を見ていたら
夢だったんじゃないかとも思う



クリスマスの夜にいつもと変わらず
6人横に並んで歩く
銭湯であったまった身体ももう大分冷えてきた



「あー、クリスマスなんてシネ!」


先頭を歩くおそ松が急に大声をあげる

それに誰も反応せず黙々と足を進めている

クリスマス、誰かがこんな風に情緒不安定になるのは
今日で何回目だろうか
慣れたものだ。


はあ、と常識人ぶったチョロ松がねえ皆と声をかける
「クリスマスなんて宗教も全然違うから
全く気にしてはないんだけど
真っ直ぐ家に帰るのもなんか、アレだし
チビ太のところでもよってこうよ」


カラ松パチンコ勝ったの知ってるんだ。
こちらに顔を向けたチョロ松は酷く悪い顔をしている


「ジーーーーーザス!」




1人青くなるカラ松に
わーいわーいと5人は賛成の声をあげる。


「今日はきっと染みるぜ〜」
くいっと熱燗を飲む真似をするおそ松の後ろを
僕はついて歩く




「お!」
急に声を上げて立ち止まるおそ松にぶつかりそうになり
危ないな〜と声をかける

僕の声を無視して
「珍しい誰かいるぜ」
女の子だー!と嬉しそうな顔をするおそ松に


「こんな日に1人おでん何か食べてるやつなんてブスだよ」


「全部僕らに帰ってくるけどね」


興味がないです。なんて口調でチョロ松とトド松は
早歩きで屋台へ向かう



「チビ太〜メリクリ〜」

声をかけながら暖簾を巡ると


「うっわ!めっちゃ可愛い子じゃん!
何々?君1人なの?」

先に行ったおそ松が、テンションの上がった声を上げ
女性の隣に座ったのが見えた。


みんなが席に着くのが見え
自分も暖簾をあげ
「ちょっと‥つめてくんない」
座れないんだけど、とカラ松を蹴飛ばせば


『一松くん‥‥?』


聞き覚えのある声が聞こえた。
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