第17章 BLEACH《黒崎一護》
机に突っ伏して窓を見ると
暖かい陽射しが差し込む
目を瞑れば、ポカポカと身体が温まり
睡魔が襲う
どれ位寝ていたのだろう
目を開けずとも
教室から物音ひとつ、人の気配ひとつ
しない
どうせ、帰り啓吾辺りが起こしにくるだろうと
また目を閉じる。
カタリと教室の扉が開き
誰かが踏み入れる
足音は自分の机の横へと近づき
ゆっくりと俺の髪を掬ったかと思えば
『きれい』
と、小さく透き通るような声が聞こえた。
その声に聞き覚えは無く
起きるタイミングを完全に失った俺は
じっと時間が過ぎるのを待つことにした。
待てども待てども離れていく気配は無く
俺が寝ている事をいい事にか
そっと頭を撫でてくる。
その優しい手つきにいてもたっても居られなくなり
顔を上げれば
黒く鎖骨まである髪が風に揺れ
白く透明感のある肌に、夕焼けが写り込み
赤く色づいて見える
大きな瞳からは動揺が溢れ
薄桃色の形のいい唇は驚きのあまり
パクパクと動いている
今にも逃げ出しそうな彼女の腕を掴み
「誰だ」と問いかければ
少し泣きそうな顔で
ごめんなさい。と呟いた。
すごく綺麗だと思ったその顔も、
喋るのを聞くと、年下なのだろう
歳相応に可愛らしくあどけない
『ごめんなさい、あの、お姉ちゃんを迎えに来て・・・・』
もごもごと、俯きながら喋る彼女に
クラスの女子の顔を思い浮かべる
こんなに可愛い顔の女子は居なかった筈だ
彼女を上から下まで見れば
小柄な彼女とはアンバランスな大きな胸が目に入る
「井上・・・・」
は、違うか
兄貴1人だけだし。なんて1人で眉間にしわを寄せ
考えていると、は不安そうな顔を
一変させる
『織姫ちゃんの友達です!』
『たつき!たつきお姉ちゃん知りませんか?』
嬉しそうに目尻を下げ
乗り出すように聞いてくるの外見を
もう一度上から下まで眺める
「毛色だけじゃねえか」
『?』
「妹がいるとは聞いてたけど、あんま似てねーのな」
そういうと、少し不安そうな顔をする
の頭をグシャグシャとなでる
「たつきの妹ってことはだっけ?
俺は黒崎一護、よろしくな」