第7章 血界戦線《ザップ・レンフロ》
コーヒーカップを2つ手に持ち
お待たせしました。と
何故か隣に座るに
妙に緊張しつつ
「ありがとう」とコーヒーを受け取る
『あの、、、』
コーヒーに口をつけながら視線だけ彼女の方に向けると
『あんまりザップさんと話した事なかったから
少し怖い人なんだと思っていたんですけど』
さっき笑った顔が優しかったので。なんて
今まで俺には向けた事のない、気の抜けた柔らかい笑顔をみせる
可愛い
半端なく可愛い。
それから、ちょくちょくとの方から
話しかけてくれる事も増えて
初めのうちはチェインや、レオナルドに監視されたものの
ランチへ行ったり、映画を見に行ったりと
まるでティーンの様な時間を過ごし
日に日に2人でいる時間が増えてきた。
「ザップさんにもそんな恋愛ができるんですね」
ダウナーからの帰り道レオナルドがふと話しかけてくる
きっとの事を指してるんだろう
「いつもいい所でオメェ等が邪魔すんだろーがよ」
そう言い、レオナルドの頭をぐしゃりと撫でる。
本部への廊下を歩いていると
扉の向こうから甘い声が聞こえる
2人とも自然に足が止まり
その声に耳を傾けると
『‥‥‥スティーブンさ‥ンッ』
甘く掠れたの艶っぽい声が聞こえる
ボソボソとスティーブンさんの声が聞こえ
それに反応するかの様な
吐息とも取れる様な甘い声が上がる
「あ、あのザップさん‥‥」
心配そうに見上げるレオナルドに、ろくな返事も出来ず
叩きつける様に扉を開けた。
「おいコラ!誰の女に‥‥‥‥」
大声をあげ勢い良く扉を開けると
ソファに座るの肩を揉む
スティーブンさんの姿が目に入る
「は?」
『え?』
暫くの沈黙の後
「ごめんごめん
君の女に手を出したつもりは無いんだが
誤解させてしまって申し訳ないね」
クスクスと笑いながら、肩をすくめる
スティーブンさんに
は、驚いた様に数回瞬きすると
顔を赤らめる。
『あの‥‥』
ザップは
余りの恥ずかしさに、一言も発せないまま踵を返す