第4章 血界戦線《レオナルド・ウォッチ》
ヒヤリとした鼻の頭に手をやると
水の雫がつく。
空を見上げるとちらほらと雪が降ってきていた。
眼の前を通り過ぎるカップルは
ホワイトクリスマスだ、なんて腕を組んで笑っている
もう一度空を見上げイルミネーションに輝きながら降る雪を眺めていた。
カツカツカツと、いつもの彼女の足音がする
音の方に目を向けると、
ワインレッドのロングドレスに身をまとい
寒そうに白いファーのアウターを肩から羽織っている
彼女は、レオナルドに気がつくと
歩くスピードを早め
『レオー!』
そこそこの声量で名前を呼びながら手を振ってくる
レオナルドは恥ずかしそうに手を挙げる。
『ごめんね?まった?』
「大丈夫です。今来たとこ」なんて、映画で見たような台詞を吐けば
『嘘つき!』
赤くなってるわよ。なんて言いながら
はレオナルドの頬っぺたを両手で包み込み
お待たせ。と艶っぽく呟く。
いつもいつも振り回されるペースも、今日こそはと
小さく深呼吸しレストランへ案内した。
重量感のある扉を開けると
一気にあたたかい空気と食欲を擽るような香りが身体を包み込む
案内された席へとつき
目の前に座る彼女は
大きく背中が空いたドレスに
胸元の露出は無いものの、
ワインレッドの布の上からは
メリハリのある曲線が劣情をそそる
チラチラと周りの彼女を見つめる視線は
次にレオナルドへと向く
何故だか急に恥ずかしくなり
と目を合わすことができず
意味もなくメニューと睨みっこをしている
『レオ飲み物決まった?』
「え、あ、まだです」
そう言って見慣れない名前のお酒を選んでいると
『私飲みたいワインがあるの、レオもそれで良いかしら?』
結局いつもの様にがさりげなくリードしてくれるのだ。