第4章 血界戦線《レオナルド・ウォッチ》
町中がイルミネーションに彩られ
浮かれた音楽が流れる。
去年までは、ピザを配達しながら
何回もリピートされる音楽に苛立ちもしたが
今年は、何度も流れる歌に鼻歌を合わせる。
スティーブンさんに教えてもらった
とっておきのレストランの前で
ザップさんには、七五三と馬鹿にされた
一張羅のスーツを見にまとい
レオナルドは先程から何度も時計を確認する。
ライブラのメンバーである、と
やっとの思いで恋人になれた
初めてのクリスマス
デートなんて、仕事の後の飲み会位で
いつも年上の私が、とお金を出してもらっていた。
チラリともう一度時計を確認すると、さっきから
五分もたっていない。
「早く着きすぎたな‥‥」
小さく溜息をつき、辺りを見渡すと
移動販売車の小さな花屋さんが目に付いた
ふらりと近づくと、色とりどりの花に
クリスマス用の小さなブーケなんかも売っている
これなんか、さんに似合いそうだな
そう思い手に取ろうとすると
ふと、ガラスケースに映る自分の姿に手を引っ込める
自分が着られているようなスーツ姿に
花束なんてもったらきっと良い笑いものだ
自分でも笑えてくる
そっと、先ほどまで立っていた所へと足をむけた。