第1章 皆でわちゃわちゃクリスマス(2016.X'mas)
スカートが短かったから、見られても平気なものを履いている。
それなのに、赤葦さんは木兎さんを睨むし。
それで木兎さんはしょぼくれるし。
黒尾さんは月島くんをからかっていて。
私は茅の外の状態になっていた。
この光景は見慣れていて、ただ黙ってアルコールを口に運ぶ。
その内に巻き込まれるような形で、話の輪の中に引きずり込まれて皆で騒ぐ。
いや、騒がしいのはいつも通りの2人だけだ。
それでも、部屋に逃げたりせずに付き合うのは、やっぱり皆でいるのが好きだから。
時間が経って、やっと静かになってくるのは木兎さんが潰れてしまった時。
黒尾さん1人では、バカみたいに騒ぐ事はしないから。
そうなってくると、別行動が始まって風呂に行く人がいたり、部屋に戻る人がいたり。
私は片付けを始めた。
全部が終わった、宴の後のリビング。
潰れて寝てしまった木兎さんを起こそうと近付いて肩を揺する。
「…んー…。」
唸るだけで、起きてはくれない。
起こすのは諦めて、離れようとしたけど、出来なかった。
寝惚けているのか、木兎さんに腕を掴まれている。
そのまま、腕の中に引っ張り込まれて抱き締められた。
力が強くて抜け出せないのは分かっているし、慣れない事をした疲れと、酔いと。
認めたくないけど、体温が気持ち良くて反抗をしなかった。