第1章 皆でわちゃわちゃクリスマス(2016.X'mas)
‐木兎side‐
これは、作戦ってヤツだ。
フツーに渡しても、プレゼントは受け取らないりらちゃん。
部屋で寝てる時に忍び込んだら、起きちゃうし。
前に、ヨバイしよーとして、めっちゃ怒られたからな。
それ、知ってる奴等が立てた作戦ってのは…。
りらちゃんにリビングで寝て貰う作戦!
りらちゃんが一番酒に強ぇから、酔い潰すのは無理。
遅くまで飲んだら、俺等が先に眠くなんの分かってた。
んで、俺が潰れたフリして、起こしにくるりらちゃんを引っ張り込んで寝るまで、ぎゅーしとくって話になったワケだ。
正直シタゴコロはある!
リセーとホンノーが戦ってんの分かる。
早く寝てくれ、りらちゃん。
その思いが通じて、腕の中で寝息が聞こえ始める。
顔を見たら、すやすやと眠っていて、マジ襲いたくなった。
「…寝ましたか?」
ムラムラしてきた俺を止めた赤葦の声。
りらちゃんの頭の側に、リボンが付いた箱を置いてる。
「やっぱりら、木兎には気ィ許すんだよな…。腹立つわー。」
次に聞こえた声は黒尾で、やっぱりらちゃんの側に箱を置く。
「木兎さんに懐いてるのは前からデスよ。今更ヤキモチですか?」
今度はツッキー。
んで、また、箱。
あれ?
これ、俺だけプレゼント渡せなくね?
どいたら、りらちゃん起きるよな。
「…せいぜい、朝まで理性と戦って下さいね。」
赤葦の言葉で、皆を見上げると笑ってやがった。
そのまま、静かにリビングから出ていく。
俺、動けねーじゃん。
朝までとか、ゴーモンか!
こん時、アイツ等にハメられたってやっと気付いた。