第4章 皆でわちゃわちゃ彼(?)シャツ
朝食が済むと、皆は学校に行ったりバイトに行ったりで、出ていった。
私は、こんな格好で外に出る訳にもいかず。
かといって、いつまでも人の服を着ている訳にもいかないから、天気は不安だけど洗濯をする事にした。
また部屋干しだから今朝の二の舞になる気がしてならない。
何か、いい方法はないものか。
そんな事を考えている内に帰宅してきた黒尾さん。
手に、何か箱を持っている。
「りら、洗濯したか?」
「しましたけど。部屋干しなので、同じ目に合いそうです。」
「だろうと思った。…ほら、これ使え。」
渡された箱。
中身は布団乾燥機だった。
臭うのは布団じゃないから意味がない、と思ったけど。
附属の部品を使うと、洗濯物にも使えるようだ。
でも、安いものじゃないだろう。
受け取るのは気が引ける。
「お前にやるんじゃねぇよ。俺の、貸してやるだけだ。」
「…有難うございます。」
黒尾さんは、私の事をよく分かっている。
こう言われたら、使うしかない。
自室に干していた洗濯物に、乾燥機をセットする。
出来れば、他の人が戻る前に乾いて欲しいけどうまくはいかないものだ。
こんな日に限って、皆して早めのご帰宅をしてくれた。
それぞれ、見覚えのある箱を持って。
「赤葦も買ってきたのか?」
「‘も’って事は木兎さんも買ったんですね。」
「…僕も、です。」
我が家に何故か布団乾燥機が4台も増える、という異常事態が発生しました。
皆でわちゃわちゃ彼(?)シャツ‐end.‐
【明燐様、リクエスト有難うございました!】